無駄を省いた最適設備を導入して アパ流“新都市型ホテル”の顧客に還元
新設と既存ホテルの購入・改修を同時に実施しながら、“新都市型ホテル”の拡充を続けるアパグループ。フラッグ・シップと位置付ける「アパホテル&リゾート〈東京ベイ幕張〉」をはじめ、数多くの建物の建設・改修に関わってきたグループ執行役員、五十嵐昭博様に同社の設備戦略と、今回採用となったゼオライトの水処理施設についてお話を伺いました。
まず、アパグループ様の建物全般に対する基本的な考え方からお聞かせいただけますでしょうか。
アパグループは現在、ホテルとマンション事業を両輪としていますが、特にホテルに関しましては、“新都市型ホテル”という新たなカテゴリを提案し、全国各地に拡充をしています。これは従来のビジネスホテルとシティホテルを融合したものと定義。建物の機能や質感はシティホテルと同等のものをご用意していますが、ただ若干、シティホテルに比べて面積が小さくなっているというものです。そのコンセプトに従い、建物を造る時には材料を吟味し、宿泊時の居心地の良さを意識しながら設計に反映。例えば空調の風があたる位置を配慮したり、シティホテル以上に寝心地の良いベッドを導入して安眠を保証するなど、シティホテルに負けないグレードのお部屋をご用意しています。また、ホテルの社会的役割を自覚し、省エネにも積極的に取り組んでまいりました。早々に、LED電球を導入するとともに、水の消費量を抑えると同時に事故防止にもつながる自動止水システムを採用。高いグレードを目指しつつも効率化を図っています。また、災害時には避難施設として機能する建物にしていきたいと考えています。現に、東日本大震災の際には東北地方を中心に、多くの方にご利用いただくことができました。
アパホテル&リゾート〈東京ベイ幕張〉は、既存のホテルを改修されてご利用されていますが、先ほどお話しされた“アパ流”へと変えていく過程で、ご苦労された点などございましたでしょうか。
プリンスホテル様から購入させていただいたときに、まずアパホテルの特徴である大浴場を設置しました。今でこそ、他社様でも導入実績があるかもしれませんが、当時、このカテゴリのホテルに設置するというのは、まさに画期的な試みでありました。また、シングルルームをツインに改装し、お客様がご利用しやすいカタチへと順次変えていきました。もちろん、新しいホテルを一から建設する方が、必要寸法も確保できますし、我々が作りたいものが作れます。しかし、限られた条件の中でいかにアパらしさを表現できるのか、そして既存のホテルをいかに甦らせるのかという観点では、私たち施設担当としては、面白みを感じるところかと思います。おかげさまで現在、夏休みには稼働率が100%まで伸びるという状況。とてもありがたいですし、振り返ってみても大変やりがいのあった仕事だと思っています。
2014年4月に500室を増室され、同時に弊社の水処理施設を導入していただいたわけですが、その背景についてお聞かせいただけますでしょうか。
水処理設備に関わらず、我々の目線からすると、他社様の設備は多少オーバースペックに感じます。使えるものを無理に改修するつもりはありませんが、やはり古くなったものから順次交換していって、過剰な部分を抑えるべきでは、という基本的な考え方があります。同時に、幕張地域は他の地域に比べて水の料金が高く、先にお話しした大浴場の設置もあり、水に関わる経費が非常に大きくなっていました。対策を考える段階で、東京・千葉エリアにおいて、地下水が潤沢であることを知り、せっかくある資源を有効活用しながらコストダウンを実施し、様々な形でお客様に還元していくべきと考えました。500室の増室により、新棟が建つわけですが、ゼオライトさんの競合企業から購入し、これまで利用していた水処理施設を活用しつつ、既存の宿泊棟と新棟の両方に井戸水を供給できないものかと模索。既存企業、ゼオライトさんを含め、各社に提案を求めたのです。
各社の提案の中から、私どもゼオライト株式会社を選定された理由についてお聞かせいただけますでしょうか。
窓口となった営業担当の方が親身になって動いてくれたことが大きいです。 私たちの要求に対して、120%の提案をしてくださったのは非常にありがたかったです。例えば、掘削する井戸の深さひとつとっても、しっかり周辺調査を重ねられて、提案に反映されていました。周囲への影響を及ぼすこともなく、かつ我々にメリットがあるカタチで、他社とは違う提案であることがひと目でわかりました。しかも、私たちが独自に調査すればするほど、ゼオライトさんの提案内容が有効な手段であることが判明。加えて、実績の多いゼオライトさんの企業としての信頼性、さらに提案金額のバランスが良かったのが採用の理由です。
弊社の水処理装置を実際に導入した後の効果や感想についてお聞かせいただけますでしょうか。
当初、掘削する時から、既存棟への供給と更なる施設の増設を考慮し、若干余裕のある提案をいただきましたが、正直、うまくいくか不安はありました。しかし、今現在では予想通りのコストメリットが生じていると感じています。また、ホテルはお客様がチェックインして就寝されるまでの一定時間に大量に水が使用されます。井戸から水を汲みあげる量には限界がありますから、当然、貯水して対応するのですが、確かに机上検討においては問題ないと説明を受けていたとはいえ、正直、実際に稼働してみないと、安定供給できるかどうか不安を感じていました。しかし、ゼオライトさんが随時、水位をチェックし、想定通りとの報告をいただいて非常に安心しております。
ありがとうございます。最後に、私どもゼオライトに今後期待することやご要望などございましたらお聞かせください。
先ほどもお話ししたように、東京都内は地下水が潤沢であると聞きます。以前発生していた地盤沈下の問題から、現在は規制が掛かっていますが、今後は緩和される可能性も高いと思います。周辺の環境に悪影響を及ぼさないよう、しっかり検討したうえで、当社が保有する数多くのホテルでもゼオライトさんの設備を導入し、ランニングコストを改善しながらお客様に還元していきたいという思いがあります。また、幕張に関しては、さらなる増室や飲み水以外の“中水”を井戸水に切り替える計画も進んでいます。これもゼオライトさんが、将来性を見込んだ+アルファの提案をしてくれたからこそ進めることができた計画であると感謝しています。そういった意味で、今後も良いお付き合ができればと考えます。
※所属・役職等は掲載当時(2015年)のものです
アパグループ東京本社
サイト | https://www.apahotel.com/resort/makuhari/ |
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担当者 | アパグループ東京本社 執行役員首都圏CM事業部長東日本CM事業部長 五十嵐昭博 様 |