6. 災害時の水確保に「ろ過装置」が有効な理由とは?必要な水の量も紹介
- 災害時の水確保
日本は災害大国とも言えるほど、地震や大雨による自然災害が絶えません。今後予測される巨大地震の発生率も年々高まっており、国を挙げて災害対策が急がれています。
そこで本記事では、災害時の人命に大きく関わる「水」について、用途や必要な量、給水方法などを紹介します。また、近年普及している「井水の活用」についても解説しているので、ぜひ参考にしてください。
目次
災害時における「水」の必要性
水はどんな時でも、人が生活する上で必要不可欠な存在です。飲み水として直接体内に取り込むだけでなく、体を清潔に保ったりトイレを流すなどの衛生面でも水は欠かせません。
しかし、災害が起きると水道が断水してしまい、十分な水を確保することが難しくなります。
実際に、現在予測されている南海トラフ沖地震の発生率は、30年以内に70〜80%の確率で起こるとされています。(2020年1月24日時点 「国土交通白書2020」引用)
そのため、普段から災害に備えて水を備蓄しておく必要があるのです。
ここでは、災害時にどれくらいの水が必要なのか、給水方法と併せて過去の災害時の断水状況についてお伝えします。
災害に備えて準備しておきたい水について
災害時に必要とされる水には「飲料水」と「生活用水」があり、この2種類の水を最低でも3日分は備えておくべきだと言われています。なぜなら、水道が断水すると復旧までに約1日〜7日かかるケースが多いからです。
それでは具体的に、「飲料水」と「生活用水」がどれくらい必要なのか確認していきましょう。
飲料用・食事用
災害時の飲料・食事用に必要な水の量は、大人1日あたり2〜2.5リットルとされています。
この量は、人が汗や尿などによって排出する1日の水分量とほぼ同じです。体の約7割が水分からできている人間は、水分不足になると健康を維持できなくなります。そうならないために、飲料水の確保は最優先してください。
なお、この量が3日分必要なので、合計9リットルは災害用に備蓄しておくようにしましょう。(東京都帰宅困難者対策ハンドブック 引用)ペットボトルで換算すると、一人につき2リットルボトルを5本は備えておく必要があるということです。
生活用水
生活用水とは、トイレや歯磨き、お風呂などの衛生面で使う水です。これらの水は、1人1日あたり10~20リットル必要だと言われています。
しかし、この量を3日分備蓄するとなればかなりのスペースが必要となり、一般家庭での保管は難しいのが現実でしょう。
そのため災害時の生活用水には、水を使わなくても良い除菌シートやドライシャンプー、マウスウォッシュ、携帯用トイレなどを備えておくことをおすすめします。
過去の災害時の断水状況
2011年に発生した東日本大震災では、非常に多くの水道施設が機能できなくなり、約200万戸以上で断水しています。また、水道管は地中を通っているため復旧に最長50日もの時間がかかったそうです。
今後も日本では、首都直下型地震や南海トラフ沖地震といった巨大地震が予測されています。
これらの地震による公共水道の被害は非常に多いとされ、水道の復旧にも1ヶ月〜2ヶ月はかかると言われているのです。
この予測からもわかるように、日頃から災害に備えて水の確保をしておくことは、命を守る最重要な災害対策だと言えるでしょう。
災害時の給水方法
実際に災害が発生し断水になってしまった場合は、各地域に設置されている給水所や給水車から水を確保します。水源はいずれも水道局が管理するもので、普段から緊急用の貯水槽などに貯められた水です。
しかし、それだけでは被災した人々に素早く十分な量を配ることが難しく、災害時の給水対策が急がれています。
そこで近年、国策でも推進されているのが「井水の活用」なのです。
災害時の水の確保には「井水ろ過装置」が有効
井水を利用すれば、災害時に公共水道が止まってしまっても、十分な水の量が確保できると考えられています。
井水が災害に有効な理由とは
井水が災害対策として有効な理由は、水道管と違って地震の影響を受けにくいからです。
水道管の場合、地面に対し平行に埋まっているため、揺れによって継手部分などが破損しやすいのです。また、水道管は地域一帯に広がっており、一部でも破損すれば広範囲で断水してしまう恐れがあります。
対して井水は、地面に垂直に掘られています。揺れが生じても周りの地層と一緒に動くため、破損しにくく、地震の影響を受けにくいとされているのです。
このことから、日常的に大量の水を使用する宿泊施設や病院では、災害に備えた井水の活用が広がっています。
また、井水は平時にも活用することが可能で、一定以上の量を超える場合は水道水よりも経済的となり、コスト削減に繋がるというメリットもあります。
井水を処理する「ろ過装置」とは
井水には不純物や有害物質が多く含まれるため、そのまま飲料水として使うことができないものもあります。そのため、人々の元に供給する前に、井水を浄水して安全な水質にする必要があるのです。
実際に井水の浄水を行う際は「逆浸透膜」などの技術を用いた「ろ過装置」で水処理を行います。逆浸透膜は、水分子以外のほとんどの有害物質を除去することができる非常に高度な膜処理技術の一つです。
このろ過装置を使えば、地下水が採水できる場所であればどこでも安定した水を作り出すことができるため、災害時の備蓄水としてだけでなく、水道環境が不安定な海外でも活用されています。
災害に備えた水の確保事例
事例1.断水時も「ろ過装置」で水の確保ができた
2011年に発生した東日本大震災や、2019年の房総半島台風(台風15号)では、かつてないほどの甚大な被害が出ました。公共水道の断水が相次ぎ復旧が急がれる中、井水ろ過装置を導入している施設や病院では安定した水の確保ができ、人々を守ることができました。
事例2.災害拠点病院指定要件のため「ろ過装置」を導入
災害拠点病院指定要件として、災害時に必要な3日分の水の確保が義務づけられました。弊社が導入した群馬県にある病院では、3日分の飲料水は確保できていましたが、透析用水を含めた水となると確保が出来ていませんでした。そのため、井水浄水装置を整備して、災害拠点病院指定要件に対応することができました。
事例3.災害を経験し「ろ過装置」を導入
千葉県にある病院では、昭和62年の千葉東方沖地震発生時に、公共インフラだけでは十分な医療活動を継続することが難しいという経験をしました。そこで、井戸水の活用を検討したのですが、病院周辺は沼地だったため、地下水の水質が良くないと悩んでいたそうです。そんなとき、弊社の水処理設備は高い浄水力があることを知り、導入することを決められました。現在では、今後予測される大地震への対策として、綺麗で安心できる水を確保することができています。
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