2023年4月25日

10.排水の種類には何があるのか?排水方式や排水処理についても紹介

  • 水処理

人々が生活する中で必ず生じる「排水」ですが、どのような水を排水と呼ぶのでしょうか。また、この排水を下水処理場まで運ぶ方法にも種類があります。本記事では、排水の種類や排水方式の種類を紹介するとともに、排水を水資源として有効活用する方法も紹介します。

排水の種類

排水には、「汚水排水」「雑排水」「雨水」「特殊排水」の4種類があります。そもそも排水とは下水のことを指し、家庭から排出される水や、工場などの施設から排出される水、雨水を総称したものです。また、排水には「廃水」と「排水」の二種類があります。意味と目的があります。これは次回のコラムでまた詳細を掲載したいと思います。

それでは、この4種類の排水について、具体的に確認していきましょう。

汚水排水

汚水排水とは、人々の生活から生じる排水のうち、排泄物を含む汚水のことです。次に説明する雑排水と一括りにされることが多いですが、厳密に分けると汚水排水はトイレの水洗から出る水のみを指します。なお、人は1日に数回トイレをしますが、トイレ一回で使う水の量は3〜5リットル程度もあるとされています。2000年以前の古い水洗トイレだと8〜13リットル程度の使用量がありました。

雑排水

雑排水とは、人々の生活から生じる排水のうち、排泄物を含まない排水を指します。例えば、キッチンや洗濯機、風呂場から出る排水が挙げられ、生活排水の約7〜8割が雑排水だと言われています。

雨水

雨水とは、文字通り、降水によって溜まった水のことです。通常、雨水は雨水管を通って、そのままの状態で川や海へと戻っていきます。

特殊排水

特殊排水とは、工場や病院などから生じる排水で、特殊な物質を含んでいます。この物質の中には、薬品や放射能、細菌といった非常に危険なものが含まれるため、そのまま下水道に流してはいけません。排水する際は必ず、各事業所内で適切な水処理を行ってから排水する必要があります。

水処理について詳しくは
こちらもご覧ください。

排水を運ぶ下水管の種類

排水は地中に埋められている下水管を通って下水処理場まで運ばれるのですが、排水を運ぶ方式には種類があります。

その方式とは、1つの配管に全ての排水を流す「合流式」と、排水の種類によって配管を分ける「分流式」の2つです。

ここでは、それぞれの違いについて説明します。

合流式

合流式とは、全ての排水を1本の下水管に集め、まとめて処理する排水方式です。

処理に必要な配管が1本で済むため、他の埋設物(水道管やガス管)が密集して、配管スペースが少ない都市部でも設置しやすいというメリットがあります。

しかし大雨が続いた場合、配管が1本だけなので、水の処理が追いつかないという問題が生じます。水を十分に処理できないと、全ての排水が混ざった状態で逆流したり、汚水が処理されないまま河川に放流される原因になるのです。

合流式には、このような危険性が懸念され、現在では新しく設置されることは減少傾向にあります。

分流式

分流式とは、雨水と雨水以外の汚水を、別々の排水管に流して処理する排水方式です。雨水は雨水管へ、それ以外の汚水は汚水管へと流します。

下水管が別れているおかげで、大雨が降っても、雨水とその他の排水が混じって逆流する危険性はありません。また、分流式に限り、雨水は水処理せずに河川へと放流することができるのです。

設置費用は合流式よりも高いですが、水質の安全性を守る観点から、現在では分流式が主流となっています。

排水処理システムの種類

排水処理システム

排水にはさまざまな菌や有害物質が含まれているため、排水基準に従い河川に放流する前に水をきれいに処理する必要があります。

基本的に、汚水は下水処理場で排水処理をしますが、下水道自体に害を及ぼすレベルの悪質汚水の場合は、下水管に流す前に各事業所にて廃水処理をしなければいけません。

その際に活躍するのが、排水処理システムです。このシステムは主に2種類あり、排水を浄化し下水または河川放流する「排水処理システム」と、廃水を浄化し再利用する「排水再利用システム」です。

排水処理システム

排水処理システムは、主に工場から出る排水を、下水または河川に放流するための排水処理装置です。
工場排水には非常に多くの有害物質が含まれており、過去には排水に含まれるメチル水銀が原因で水俣病が流行しました。そのため、工場排水では、排水の基準値が定められているのです。

処理方法としては、微生物によって排水に含まれる有害物質を分解する「活性汚泥処理」や「生物処理法」のほか、微細な網目を持つろ過膜によって水分と有害物質を分離させる「膜分離活性汚泥法」があります。

排水再利用システム

排水再利用システムは、厨房や浴槽から出た排水を、適切な処理を行うことで「中水」に変える排水処理装置です。中水とは「飲むことは出来ないが、人体に影響を及ぼさない形で再利用される水」のことを言います。一度使用した水を再生処理し、中水として生まれ変わらせます。再生された水は「雑用水」として、トイレの水洗や掃除、散水などで利用できるようになります。

そのため、ホテルや温浴施設、工場など、日常的に多くの排水が生じる施設で、排水再利用システムの導入が増え続けています。また、排水再利用システムを使えば、水道水の使用量も減り、経費削減にも有効です。温水の廃水を再利用する場合には、熱回収メリットもあり低炭素社会実現に向けたCO2削減にも貢献できます。

これまで、捨てる以外の選択肢がなかった排水を活用するこのシステムは、世界的な水不足が問題視されている現代において、非常に重要な役割を持っていると言えます。水資源の枯渇やSDGsの観点からみても、排水再利用システムは今後さらに普及されていくでしょう。

なお、ゼオライト株式会社では、排水を処理する際に「逆浸透膜」を使ったろ過膜処理を行っています。この逆浸透膜は、ろ過膜の中で一番洗浄性が高く、水中の99.9%の有害物質を除去することができるのです。

排水再利用に関するご相談はゼオライト株式会社へ

ゼオライト株式会社は、水処理プラント及びメンテナンス事業を軸に、50年以上に渡ってお客様の期待を超える「良質な水」と「サービス」を提供し続けてまいりました。

高い技術提案力とお客様第一主義の精神で、排水再利用にまつわるお困りごとを解決いたします。

【ゼオライトの実績】

  • 逆浸透膜プラント400件以上(専用水道での国内導入数No.1)
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