13.井戸水と水道水の違いとは?特徴や用途、メリット・デメリットを解説
- 井戸水
私たちの生活に欠かせない、貴重な水源である井戸水(井水)と水道水。それぞれの違いを知ることは、世界的に水不足が深刻化するいま、水源確保のための第一歩だと言えます。
そこでこの記事では、井戸水と水道水の違いについて、特徴や用途、メリット・デメリットなどを詳しく紹介します。
併せて「井戸水の安全性は?」「利用するにはどうすれば良い?」という疑問も解消していくので、ぜひ参考にしてください。
目次
井戸水と水道水の違いとは?
井戸水と水道水は、私たちの生活において必要不可欠な存在です。生活に利用する水という点では同じですが、それぞれ水源が違います。まずは、井戸水と水道水の違いをわかりやすく表にまとめたものを確認しましょう。
井戸水 | 水道水 | |
---|---|---|
水源 | 地下水 | 河川水、ダム湖水、地下水 |
主な用途 | 生活用水・工業用水 ※高度な水処理をすれば飲料水も可 |
生活用水・飲料水・工業用水など全般 |
水処理 | 基本的には不要 ※飲料水の場合は必要 |
必要 |
ここからはさらに詳しく、井戸水と水道水の特徴や用途などを紹介していきます。
井戸水と水道水の違い①:水源と用途
井戸水と水道水では水源が違います。井戸水は地下水を水源とし、水道水は川や池、雨をダムなどで貯めた水を水源としています。また、水源が違うと水質も変わるため、それぞれの用途も違ってきます。
井戸水(井水)はどんな水?
井戸水は井水ともいい、地層や地中で自然にろ過された地下水を汲み上げたものです。
そもそも地下水は、雨が地面に浸透したものなのですが、浸透する段階で土や石などによってろ過されていくため、雑菌などもある程度はキレイに自然処理されます。そのことから井戸水は天然水とも言えるのです。
そしてこの井戸水は、地表からの深さによって、浅井戸と深井戸の2種類に分類されます。
浅井戸は地表から10mまでの深さにある地下水のことで、地表に近いことから周辺環境の影響に左右されやすいとされています。そのため水質が変化しやすく、不純物を多く含む傾向にあるのです。
主な用途は、庭の水やりなどの生活用水、機械の洗浄やボイラーの冷却などの工業用水が挙げられます。
一方、深井戸は地表から20m〜30mよりも深い場所にある井戸水で、地下深くの被圧帯水層から汲み上げた水のことを指します。被圧帯水層とは、粘土層や岩盤、シルト層などで構成された水を通しにくい帯水層です。
地下深くあるため、周囲の環境の影響を受けにくく、水質と水温も安定しています。不純物の少ない水ですが、飲料水として利用する際は水道法の水質基準を満たした水にする必要があります。
なお、水質基準をチェックする場合は、水質検査計画等に基づき、給水末端を採水して水質検査機関に送付します。そして、水質基準に関する省令に定められた水質基準を満たしているかを分析します。
このように非常に厳しい管理の元で水質を確認しているので、所有する土地の地下水が飲料水に適しているかどうか調べることもできるのです。
水道水はどんな水?
水道水は、川や池、雨をダムなどで貯めた水を水源としています。一部では地下水を利用していることもありますが、水道管や受水槽を通すことになるので、水質を保つための適切な処理が必要です。
水道水の用途は様々で、掃除や洗濯、お風呂や料理のほか、飲み水としても利用できます。このように生活には欠かせない水だからこそ、安全性の高い水質を保つ必要があります。
そのためにはまず、浄水場でろ過を行い汚れを取り除きます。その次に、カルキ消毒(塩素消毒)をして病原菌や細菌の繁殖を防ぎ、安全な水として私たちの元へ供給されます。
なお、水道水は法律によって厳しく管理されており、水道法第4条や水質基準に関する協議などの法規制により、水質の安全性や衛生面が定期的に監査され、必要な対策が行われています。これにより、一般家庭から公共施設まで安心して水道水を使用することができるのです。
井戸水と水道水の違い②:メリット・デメリット
私たちが日常的に利用している井戸水や水道水には、多くのメリットがありますが、デメリットもあります。
それぞれに、どのようなメリットとデメリットがあるかを紹介していきます。
井戸水のメリット
井戸水を活用することの最大のメリットは、水源を二元化できるという点です。具体的には次のようなことが可能になります。
- 災害時における水の確保
- 水道代のコスト削減
地震や洪水などの災害時は、水道が断水しやすく復旧にも時間がかかります。水の確保が難しくなると、事業の継続が難しくなったり、命の危険性も出てくるでしょう。
もちろん災害時に備えて水道局で管理している地域の給水所や給水車もありますが、それだけでは被災者への十分な水を素早く供給することができません。そこで、井戸水が活躍するのです。
井戸水は地下深くにあるため、水道管のように地震の影響を受けにくいとされています。そのため、水道水が断水してしまっても井戸水を活用していれば、安全な水質の水を安定して確保することが可能となります。このようなことから、緊急事態の備えとして井戸水を活用する企業も増えてきています。
また、井戸水を利用することは災害対策の他にも、水道代を抑えるというメリットがあります。地域によって水道料金は異なりますが、経済的なメリットがある場合も少なくありません。とくに病院や工場といった規模の大きい施設では水の使用量が非常に多いため、日常的に井戸水を使えばかなりのコストダウンに繋がるのです。
なお、水処理の方法によっては高度な膜処理技術などもあり、水質を向上させることが可能です。生活用水だけでなく調理用水や飲料水としても利用すれば、さらに水道代のコスト削減が可能になるでしょう。
井戸水のデメリット
井戸水は災害時のライフラインの確保や水道コスト削減といった大きなメリットがありますが、次のようなデメリットもあるので注意が必要です。
- 初期費用がかかる
- 停電時には使えない
井戸水を利用する際は、水質に応じて適切な水処理プラントの設置が必要です。これにかかる初期費用は決して安いものではありません。さらに、電気代や定期的なメンテナンスなどのランニングコストがかかる場合もあるということは知っておきましょう。こういった設備の導入に必要な費用を抑えたい人は、水の使用量に応じて単価を支払うオンサイト方式を利用してみるのも一つの手段です。
次に、井戸水は電力を使って地下からポンプで組み上げているため、停電時には使えないというデメリットもあります。この場合は、あらかじめ停電時に備えて十分な予備電源を用意しておくことで対処できるでしょう。
水道水のメリット
日本で水道水を使うことの最大のメリットとして「世界でも高い水準の水が利用できる」ということが挙げられます。具体的には次のような点から、日本の水道水は高水準だと言われています。
- 安全性
- 料金の安さ
- 普及率
- メンテナンスの質
国土交通省の調べによると、水道水がそのまま飲める国は世界で13か国しかなく、日本はそのうちの一つだそうです。また、非常に安全な水質なのに料金も安く、東京の水道料金は、ニューヨーク、ロンドン、パリなどのおよそ半分にとどまっています。
また、水道管の設置も十分に普及されており、メンテナンスや管理をしっかりと行うことで、日本中のどこでも安心して水道を利用することが可能なのです。地域によって水道料金は変わりますが、総じて低コストで高品質な水を私たちは利用できていると言えるでしょう。
水道水のデメリット
安全性の高いことで有名な日本の水道水ですが、次のようなデメリットもあります。
- 水道管や貯水槽の状態によって水質が変わる
- 自然災害では断水しやすい
水道水は、自宅敷地内の水道管の老朽化によって水質に影響が出ることがあります。水が汚れていたり濁っている場合はまず、マンションの管理人や専門業者に修理・交換の依頼をしましょう。
それでも改善しない場合は、各家庭へ届けられるまでの衛生管理状態に問題がある可能性があります。地中に埋まっている個人所有でない水道管に関しては、水道局の管理の範疇となるので、各地域の担当部門に問い合わせてみましょう。
また、水道水の一番のデメリットとも言えるのが、自然災害等による断水です。断水の原因は水道管路の被害や浄水場の被害などによるものがほとんど。そのためどうしても復旧に時間がかかってしまうのです。
実際に、2011年に発生した東日本大震災では、非常に多くの水道施設が機能できなくなりました。約200万戸以上で断水し、復旧に1か月以上もの時間がかかったそうです。
井戸水と水道水の二元化ならゼオライトの「井水浄化システム」
今後予測される巨大地震や世界的な水不足などの対策として、非常に有用的な井戸水。適切な処理を行えば、水道水のように飲料水としても利用できます。
私たちゼオライトでは、高度な水処理技術を持つ「井水浄化システム」で、安全な水質の水の確保が可能です。
このシステムには、高度な処理性能の「逆浸透膜」や「限外ろ過膜」を採用。水分子以外のほとんどの有害物質を除去することで、地下水が採水できる場所であればどこでも安定した水を作り出すことができます。
井戸水に関するご相談はゼオライト株式会社へ
ゼオライト株式会社は、水処理プラント及びメンテナンス事業を軸に、50年以上に渡ってお客様の期待を超える「良質な水」と「サービス」を提供し続けてまいりました。
高い技術提案力とお客様第一主義の精神で、井戸や井戸水(井水)にまつわるお困りごとを解決いたします。
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小型の業務用装置から大規模プラント、災害対策用ユニット型浄水設備まで、幅広い対応が可能です。
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