2023年10月13日

17.地下水の種類を詳しく紹介!地下水の定義や仕組みなどの基礎知識も

  • 地下水
地下水の種類を詳しく紹介!地下水の定義や仕組みなどの基礎知識も

地下水は一定に保たれた水温・水質・水量などを特徴に持つことから、昔から井戸水として私たちの生活を支えてきました。そんな地下水ですが、実はいくつかの種類があることはご存知でしょうか。

本コラムでは、地下水の種類について詳しく解説し、どの種類が井戸水の利用におすすめなのかを紹介しています。また、地下水の種類を知る上で確認しておきたい地下水の基礎知識などもあわせてお伝えしていきます。

地下水の定義

地下水とは、地表よりも下に存在する水の総称です。水源は、地表で降った雨が地中に溶け込んだもので、地層の中でも水を蓄えやすい部分に溜まっていきます。

しかし実は、日本では地下水を定義した法律などはなく、地中に存在する状態によって「土壌水」と「地下水」に区別する場合もあるようです。

土壌水とは、地下水面よりも上に溜まっている水で、土の隙間が水で満たされていません。一方、地下水は、地下水面よりも深い場所に溜まっている水で、土の隙間が水で満たされている状態の水を指します。

なお、本コラムで説明する地下水については「地下水面よりも下に存在する水」という定義の元、進めていきます。

地下水の種類は大きく分けて2つ

地下水の種類は大きく分けて2つ

地下水は大きく分けて「不圧地下水」と「被圧地下水」の2つに分類されます。簡単な違いは、不圧地下水は地表のすぐ下にある地下水で、被圧地下水は地表から深い場所にある地下水です。

地下水がある地層の構造

不圧地下水と被圧地下水について解説する前に、まずはこれらが存在する「地層」について簡単に説明します。

地層の構造は、「砂や礫からなる層」と「粘土質からなる層」が、交互に何層にも重なってできています。それぞれの層には次のような特徴があります。

・砂や礫の層
「帯水層」または「透水層」と呼ばれる地層のこと。
土の隙間が大きく、水を通過させやすい。

・粘土質からなる層
「不透水層」または「難透水層」と呼ばれる地層のこと。
土の隙間が小さく、水を通過させにくい。

そしてこの2種類の地層は、「地表⇒帯水層⇒不透水層⇒帯水層⇒不透水層」の順で重なっており、地表から浸透した水は、不透水層の上(=帯水層)に溜まっていきます。これが地下水の正体です。

地下水の種類①:不圧地下水

不圧地下水とは、帯水層に存在する地下水のうち、上部が地表になっている水を指します。比較的浅い場所にあるため、水面上の圧力が大気圧とほとんど同じ状態です。

また、不圧地下水の水面は、地表から浸透する雨の量や揚水によって変動しやすいという特徴を持つため、自由地下水とも呼ばれています。

なお、この不圧地下水から汲み上げた井戸水は「浅井戸」と言い、古くから私たちの生活に利用されてきた水源です。

地下水の種類②:被圧地下水

被圧地下水とは、帯水層の中に存在する地下水のうち、上下を不透水層に挟まれた水のことを指します。地下水で満たされ、さらに密度の高い不透水層で挟まれているため、水の圧力がかかることから「被圧地下水」と呼ばれているのです。

また、この被圧地下水の水源は、標高の高い山で降った雨が浸透したものです。山と繋がっているため標高の高さによる圧力もかかっています。

そのため、井戸を掘削する時に、被圧地下水を下流の平野などで掘り起こすと、水が自然と湧き出てくることがあります。これは、不透水層に穴を開けることで圧力が大きくなり、地下水位が地表面よりも高くなるからです。このように自然と湧き出る地下水を湧水とも言います。

なお、被圧地下水は地層の中でも深い場所に存在しているため比較的水質がきれいで、井戸水として様々な用途で利用されています。そしてこの、被圧地下水から汲み上げた井戸水は「深井戸」とも呼びます。

水処理について詳しくは
こちらもご覧ください。

飲料水の水源となる地下水の種類

飲料水の水源となる地下水の種類

ここまでは地下水の大まかな種類について説明しましたが、ここからはさらに細かく種類分けをしていきます。地下水を細かく分けると、次の6つがありますが、いずれも適切な処理を施せば飲料水として利用できる水です。

  • 鉱泉水
  • 温泉水
  • 鉱水
  • 湧水
  • 浅井戸水
  • 深井戸水

すでに紹介した種類もありますが、他の種類と比較するためにも改めて確認しましょう。

鉱泉水

自然に湧き出している地下水のうち、水温が25℃未満のもの。
水中に溶け込んでいるミネラルの種類によって、さらに分類されます。

温泉水

自然に湧き出している地下水のうち、水温が25℃以上のもの。
温泉水に含まれるミネラルの種類によって、さらに分類されます。

鉱水

自然に湧き出していない地下水で、ポンプなどで汲み上げたもののうちミネラルを含む地下水のこと。ミネラルの種類によってさらに分類されます。

湧水

自然に湧き出ている地下水のうち、崖下や谷間などから自噴しているもの。
不圧地下水・被圧地下水の区別はとくにありません。

浅井戸水

地表から10mまでの浅い層にある地下水のことで、不圧地下水(自由地下水)を汲み上げたもの。周囲の環境に影響されやすく、水中に不純物が多く含まれやすいという特徴があります。

深井戸水

地表から20m〜30mよりも深い場所にある地下水のことで、被圧地下水を汲み上げたもの。周囲の環境の影響を受けにくく、多くの地層を経ているため水質が比較的きれいだとされています。

地下水の活用は深井戸がおすすめ

下水の活用は深井戸がおすすめ

ここまでの解説で、地下水には様々な種類があることが分かりました。

その中でも深井戸は「水量・水温・水質」が安定しているため、一番活用しやすい地下水だと言えるでしょう。

水量が安定している

地表から20m〜30mよりも深い場所にある地下水を汲み上げる深井戸は、日本各地のほとんどの場所で採取できます。そのため、適切な揚水量さえ守れば、半永久的に利用できるほどの安定した水量が確保できるのです。

水温が安定している

深井戸は、地下深くにあるため水温も年中通して安定しています。そのため、水道水のように夏はぬるく冬は冷たいといった温度差もほとんどありません。蛇口をひねればすぐに適温の水が利用できるのです。

水質が比較的きれいである

本記事の前半で紹介した地層の構造からも分かるように、地下深くにある深井戸は何層にも重なった層を経て溜まった水です。そのため、地表から浸透する過程で、砂や粘土によって少しずつろ過されていきます。つまり、地下深くになればなるほど、水中に含まれる汚れが除去されて、きれいになっていくということなのです。

地下水(深井戸)の活用は事業の継続に役立ちます!

ゼオライト株式会社の井水浄化システム

安定した水量・水温・水質が特徴の深井戸は、日常的に多くの水を必要とする病院や宿泊施設などで、水道水の代わりとして多く活用されています。その理由は、水源が「水道水」と「地下水」の2つになることで、次のようなメリットが考えられるからです。

  • 災害時や断水時の備えになる
  • 水道コストの削減に繋がる

災害時の備蓄水を確保することは、人命に役立つことはもちろん、企業の事業継続も可能にするでしょう。また、日常的に地下水を利用すれば、水道コストの削減にも繋がるというメリットも考えられます。

このような理由から、地下水の活用を取り入れる企業が増えているのですが、深井戸を飲料水などに利用する際は、水道法で定められた基準を満たす必要があります。そのためには、適切な水処理が行える「水処理装置」を導入し、飲用できるレベルまで浄水してください。

ゼオライト株式会社では、水処理装置の中で最も浄水性能の高い「逆浸透膜(RO膜)」を搭載した装置を採用しています。逆浸透膜とはろ過フィルターの一種で、細菌ウイルス類は100%、塩分や農薬ヒ素、ダイオキシンなどの有害物質は95%以上、近年問題となっているPFASという化学物質も92〜99%除去できるのが特徴です。

また、PFASは水道水や地下水に含まれていることが最近の調査で分かっており、除去するには逆浸透膜が最も効果的だとされています。

水道水よりも安全で安心な水を利用したいとお考えの企業様は、弊社が自信を持って提供する逆浸透膜プラント「井水浄化システム」の導入を是非ご検討ください。

関連記事:「PFAS(有機フッ素化合物)とは?規制や除去する方法を徹底解説!

地下水の活用に関するご相談はゼオライト株式会社へ

ゼオライト株式会社は、水処理プラント及びメンテナンス事業を軸に、50年以上に渡ってお客様の期待を超える「良質な水」と「サービス」を提供し続けてまいりました。

高い技術提案力とお客様第一主義の精神で、井戸や井戸水(井水)にまつわるお困りごとを解決いたします。

【ゼオライトの実績】

  • 逆浸透膜プラント400件以上(専用水道での国内導入数No.1)
  • 水処理プラント納入実績1,300件以上

小型の業務用装置から大規模プラント、災害対策用ユニット型浄水設備まで、幅広い対応が可能です。

「まずは逆浸透膜について知りたい」という方も、お気軽にご相談ください。

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