19.地下水と井戸水の違いとは?地下水を井戸水として利用するメリットも解説!
- 地下水
地下水を利用しようと検討する際に必ず目にする井戸水。地下水も井戸水も同じ意味としてよく使われる言葉ですが、厳密に言うとそれぞれに違う意味を持ちます。
本コラムでは、地下水と井戸水の基本的な違いを解説し、地下水を井戸水として活用するメリットや注意点も紹介します。
地下水や井戸水について、その違いや活用方法などを知りたい方は是非参考にしてください。
目次
地下水と井戸水の違いとは
地下水と井戸水の違いを簡単に言えば、「そこに井戸の設備があるのかどうか」です。地下水は地中に存在する水のことを指し、井戸水は地下水を井戸で汲み上げた水のことを言います。それではここで、地下水と井戸水についてそれぞれの特徴などを詳しく見ていきましょう。
地下水と井戸水の違い①:地下水とは何か
地下水は地中に存在する水の総称で、地表から染み込んだ雨水が地層の隙間に溜まってできたものです。温泉水や湧水のほか、井戸水など地下にある水は全て地下水として分類されます。
さまざまな種類がある地下水ですが、基本的にはきれいな水質であることが多いでしょう。その理由は、雨水が地中に浸透する過程で土の作用によって自然とろ過されていくからです。
そもそも地中は、地層が何層にも重なってできており、隙間が多い砂利の層(帯水層)と隙間がほとんどない粘土の層(不透水層)が交互に重なった構造をしています。雨水はこの層を通過する際に、少しずつゴミや不純物が取り除かれ、浸透が進むにつれてきれいな水質になるとされています。そして隙間の多い帯水層に溜まった雨水が、地下水の正体です。
また、地下水は地中深くにあるため水温が一年を通して一定で、雨が比較的よく降る日本においては水量も安定しているという特徴もあります。
このようなことから、地下水は昔から田んぼの灌漑や工業用、その他雑用水などとして広く利用されてきました。そしてこの地下水を地上まで汲み上げて利用する水が、次で説明する井戸水なのです。
地下水と井戸水の違い②:井戸水とは何か
井戸水は井戸を使って地下水を汲み上げた水のことを指します。井戸とは、地面に穴を掘って水を汲み上げる設備のことで、井戸を掘る深さによってさらに「浅井戸」と「深井戸」に分類されます。
浅井戸は地表から10メートルまでにある地下水を汲み上げたもので、比較的簡単に採水できることから一般家庭でよく利用されています。ただし、浅い層にある地下水は周囲の環境に影響されやすいため、必ずしも水質がきれいだとは言えません。
そのため、掃除やお風呂などの生活用水として利用する際は、適切な水処理を行った上で使った方が安心でしょう。
一方、深井戸は地表から20〜30メートルよりも深くにある地下水を汲み上げたもので、自然のろ過が進んでいるため浅井戸よりも水質がきれいだとされています。また、地表の環境にも左右されにくく水量が安定しており、多くの水が確保できるでしょう。ただし、井戸を掘削する手間や費用がかかることから、一般家庭での利用は難しく、病院やホテルなどの大型施設での利用がほとんどです。
このように井戸水には2つの種類があり、掘削する深さによって水質の高さや設備にかかる費用などが大きく変わります。事業所などであれば深井戸を掘ることがおすすめですが、いずれも利用する際は安全性を考慮して、汲み上げたまま使うのではなく適切に水処理を行ってから利用しましょう。
水処理について詳しくは
こちらもご覧ください。
地下水を井戸水として利用するメリット
地下水は「水質・水温・水量」が安定していることから、水道水のように生活のさまざまな場面で利用することができます。とくに日常的に大量の水を必要とする施設や工場などにおいては、井戸水を活用することで大きなメリットが得られるでしょう。
水道代のコストダウンに繋がる
井戸水を日常的に利用することは、水道代の費用を抑えることに繋がります。井戸水の水源は地下水であるため、水そのものに費用がかからず、渇水しない限りは半永久的に利用することができます。
もちろん井戸や水処理設備の設置費用、それらの機械を動かす電気代は必要ですが、同じ量の水を使った際には、水道代よりも井戸水を利用した方がトータル費用が抑えられる場合が少なくありません。
つまり、常に利用者がいる病院や福祉施設、宿泊施設などの事業所では、水道水で全ての用水を賄うよりも井戸水を利用した方が経費削減に繋がるということなのです。
断水時の備えになる
井戸水を活用すれば、断水時でも安定した水質・水温・水量の水が確保できます。
その理由は、井戸水は水道水と違い、地下深くに大量の水を蓄えることができ、さらに地震の揺れによる影響も受けにくいため、安定して水を供給することが可能だからです。仮に、汲み上げポンプや水処理設備を動かす電気が停電してしまっても、非常用発電機、非常用電源を使えば給水を止めずに済むため、断水時の備えとして非常に安心できるでしょう。
日本では過去に何度も、地震や洪水などの自然災害によって、電気やガス、水道といったライフラインが止まることがありました。特に水道が断水してしまえば、命に危険が及ぶ可能性も高まるため、水の確保は率先して行うべき災害対策の一つなのです。
このように井戸を保有することは、人命の存続に役立つことはもちろん、施設などの事業継続にも非常に有用で、BCP対策として取り組む企業も増えています。
地下水と井戸水の違いを知って、安全に利用しよう!
ここまでの解説で、地下水を水源とする井戸水の活用には、非常に大きなメリットがあること、安全に使うためには適切な水処理が必要であることが分かりました。
最後に、地下水を井戸水として安全に利用するために必ず実施しておくべきことをお伝えします。
地下水を井戸水として活用するには「水質検査」が必要
先述したように、地下水を井戸水として活用することには、水道コストの削減や断水時の水の確保など、非常に大きなメリットがあります。
しかし、飲用や浴用など水道水と同様の使い方をするのであれば、人々の健康に害を及ぼさないよう、汲み上げる地下水や処理水の水質を検査しなければなりません。これは水道法で定められており、事業所で井戸水を利用する際は、定期的に検査を実施する必要があります。
関連記事:「井水(井戸水)の水質検査は義務?必要性や飲用する際の検査方法と注意点」
地下水を井戸水として活用するには「適切な水処理」が必要
井戸水として利用する地下水の水質検査が済んだ後は、検査結果に応じて適切に水処理や消毒を行わなければなりません。これもまた、水道法で義務化されており、人体への健康被害を防ぐために、水質基準値内に収める必要があります。
また、水処理を実施する際、病院などの大規模施設で利用する場合は、水処理プラントの導入が必要です。水処理技術にはさまざまな種類がありますが、水質や用途に応じ、適切な水処理機器を設置することが重要となるため、高い技術力を持った水処理会社を選びましょう。
私たちゼオライトでは、最も高度な水処理技術である逆浸透膜技術を得意としており、これまで多くの逆浸透膜プラントを導入してまいりました。逆浸透膜で水処理を行えば、細菌ウイルス類は100%、塩分や農薬ヒ素、ダイオキシンなどの有害物質も95%以上除去し、近年問題になっているPFASも除去できることが確認されています。
高い技術と実績をもって、お客様に最適な水処理プラントの提案をさせていただきますので、井戸水の活用をご検討の際は、是非ゼオライトにお任せください。
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