RO膜をつかって『健康』に豚を育てる
九州の南東部に位置し豊かな風土を持つ宮崎県。多様な農畜産物を作る農家の為に、加工・販売・農畜産経済の発展に努めてきたJA宮崎経済連。今回は養豚事業において、『健康に育てた豚肉は美味しい』をコンセプトとして、健康で美味しい豚肉を作る為に、豚の飲水用にゼオライトの逆浸透膜を利用した地下水及び湧水の浄化システムを取り入れられた経緯や導入後の感想を伺いました。
まずはJA宮崎経済連様の概要についてお聞かせいただけますか。
JA宮崎経済連は宮崎県内の農畜産業の発展に全力を注いでおり、組合員農家の経済的・社会的地位の向上に努めるとともに地域社会の発展に寄与することをモットーに取り組んでいます。県内の養豚事業は宮崎県認証ブランド『宮崎ブランドポーク』を代表に全国2位の飼育頭数を誇ります。より美味しい豚肉を作るためには、健康な豚であることが第一と考えています。消費者の皆さんに安全・安心な豚肉を安定的に提供するため、生産者と一緒に豚の飼育環境・飼料・疾病対策を日々研究しています。今後は豚肉の地産地消を促進し、海外展開も考えています。
ありがとうございます。弊社のプラントを二カ所の養豚場に導入させて頂いておりますが、導入に至った経緯を聞かせて頂いても良いでしょうか。
以前宮崎経済連で行われた講演会で東レ株式会社の元副社長 益﨑様とお会いしたことがきっかけです。その講演会で益崎様のお人柄に惹かれ、この方と一緒に仕事がしたいと思い声をおかけしました。ちょうどより安全で健康な肉質の豚を育てたいと話していたところ、東レのRO膜を通した水を飲ませたらどうだろうかという意見が出ました。最近は健康のために水にこだわる人たちが多くいらっしゃいますが、豚も同じように良い水を与える事で健康になるのではないかと考え、プラントメーカーであるゼオライトさんを紹介してもらいました。宮崎の水は比較的きれいな水ですが、100%の自信を持って良い水だ、とは言えません。ゼオライトさんと打合せを重ね、UF膜よりも細かい孔のRO膜を使用することで、宮崎の水を確実に安心・安全な美味しい水に磨くことが出来ると確信し、プラント導入を決定しました。その水を豚に飲ませることで美味しくて安全な豚肉をアピールでき、今後の海外戦略での強みになると思っています。
「水を磨く」とは良い言葉ですね。弊社も「水を磨く」ため、ご期待にそえるよう努力致します。その後浄化システムを導入されてから何か変化はありましたか。
プラントの導入後、豚の下痢などが少なくなりました。生産性が良くなっていると実感しています。このプラントには通常の水道水に使用する塩素消毒ではなく、紫外線での殺菌方法を用いています。塩素を使用した水より安全な水を豚に飲ませることができています。また、上水道の使用が減ったことで、水道経費の削減になっています。現在、地下水を使って飼育している豚の肉質のデータを取っています。はっきりとした違いが確認できるようになったら今後ブランド肉として販売していくことも考えています。
最後に、今後弊社に期待されることはありますか。
薬品をまったく使用しない水を豚に飲ませたいと考えています。ぜひ、ゼオライトさんには無薬注の装置を実用化していただきたいです。また、農産業では土を使わないで水だけで栽培する水耕栽培という注目されている分野があります。水耕栽培で使用するための水を作る装置などを考えて頂けたらと思っています。今後、宮崎県から新しい技術を発信していきたいですね。※所属・役職等は掲載当時(2016年)のものです
宮崎県経済農業協同組合連合会
サイト | http://www.kei.mz-ja.or.jp/ |
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担当者 | 斉藤 周平 様 |